バックレ退職のデメリットとは?無断欠勤で辞めるリスクと正規の辞め方
「もう行きたくない」と仕事をバックレたくなったあなたへ。無断欠勤のまま辞めるデメリット(懲戒解雇・損害賠償・離職票の遅れ等)を中立に整理し、民法に守られた正規の辞め方と合法的な退職代行の使い方をわたしがやさしくお伝えします。
「明日、もうあの職場に行きたくない」。布団から出られなくて、そのまま連絡もせずに消えてしまいたい。わたしも会社を辞めたくて言い出せなかった頃、毎晩そんなふうに思っていました。実は体調まで崩して、朝になると手が震える日もあったんです。
だからこそ最初にお伝えしたいことがあります。仕事をバックレる(無断欠勤のまま放置して辞める)と、懲戒解雇・損害賠償の請求・離職票や社会保険手続きの遅れ・私物の未返却トラブル・社会的信用の低下といったデメリットが起こり得ます。一方で、退職は本来あなたに認められた権利です。民法第627条では、期間の定めのない雇用なら退職を申し出てから原則2週間で辞められます。つまり「バックレなくても辞められる」のです。この記事では、バックレのリスクを正確に整理しつつ、心と体を守りながら正規に辞める方法を一緒に確認していきますね。
バックレ退職とは何を指すの?
バックレ退職とは、会社に退職の意思を伝えないまま無断欠勤を続け、そのまま出社しなくなることを指す俗語です。「飛ぶ」「ばっくれる」とも呼ばれます。
つまり、辞めるという手続きを踏まずに連絡を絶つ状態です。退職届を出していないため、会社側から見ればあなたはまだ在籍中で、無断で休んでいる従業員という扱いになります。ここが、後述するさまざまなトラブルの入り口になります。
- 退職の意思表示をしていない
- 連絡が取れない状態が続いている
- 会社の手続き上はまだ「在籍中」
バックレ退職にはどんなデメリットがあるの?
主なデメリットは、懲戒解雇・損害賠償リスク・公的手続きの遅れ・私物や貸与品のトラブル・社会的信用への影響の5つです。
どれも「必ず起こる」ものではありませんが、可能性として知っておくと、感情だけで動いて後悔することを防げます。順番に見ていきましょう。
懲戒解雇になる可能性
無断欠勤が一定期間続くと、就業規則に基づいて懲戒解雇とされる場合があります。
労働基準法では、解雇には原則として30日前の予告か予告手当が必要とされています(労働基準法第20条)。ただし「労働者の責に帰すべき事由」があり、労働基準監督署長の認定を受けた場合は、予告なしの解雇が認められることもあります。無断欠勤の継続がこれに当たるかは個別事情によりますが、自己都合退職よりも不利な記録が残るおそれがあります。
損害賠償を請求されることがあるの?
会社に実際の損害が生じ、その損害とあなたの行為に因果関係が認められる場合に限り、損害賠償を請求される可能性があります。「バックレたら必ず損害賠償される」わけではありません。
労働者には退職の自由があるため、辞めたこと自体で賠償義務が生じるわけではありません。ただし、急な離脱で具体的な損害(代替要員の手配費用など)が立証された場合に、限定的に問題となることがあります。実際に金銭請求まで至るケースは多くはありませんが、ゼロとは言い切れない、というのが正確なところです。
離職票や社会保険の手続きが遅れる
退職の手続きが宙ぶらりんになると、離職票の発行や社会保険・雇用保険の資格喪失手続きが遅れることがあります。
離職票は失業給付(基本手当)の申請に必要な書類です。発行が遅れると、次の転職活動や生活費の面で困ることがあります。連絡を絶っていると会社も手続きを進めにくく、結果としてあなた自身が不利益を受けやすくなります。
私物の未返却・貸与品トラブル
ロッカーの私物を残したまま消えると受け取りづらくなり、逆に制服・社員証・パソコンなどの貸与品を返さないとトラブルになります。
貸与品の未返却は、会社との関係をこじらせる原因になります。直接出向きたくない場合でも、郵送での返却など方法はあります。連絡を一切断つより、最低限のやり取りを残すほうが後々スムーズです。
社会的信用への影響
懲戒解雇の記録や、未返却・未精算が残ると、後の信頼関係に影響することがあります。
転職活動で前職の在籍状況を確認される場面はありますし、業界が狭い場合は評判が伝わることもあります。今のつらさは本物ですが、未来のあなたの選択肢を狭めないためにも、辞め方は整えておきたいところです。
バックレと正規の退職、何が違うの?
最大の違いは「辞める権利を行使しているか」です。正規の退職は法律に守られた手続きで、バックレは手続きを踏まない放置です。
下の表で、両者のリスクと結果を比べてみてください。同じ「会社を辞める」でも、たどり着く場所がかなり変わります。
| 項目 | バックレ(無断欠勤のまま放置) | 正規の退職(意思表示あり) |
|---|---|---|
| 法的な扱い | 退職手続きなし・在籍扱いが続く | 民法第627条等に基づく正当な退職 |
| 解雇リスク | 懲戒解雇となる可能性 | 自己都合退職として記録 |
| 損害賠償 | 実損害があれば請求の可能性 | 原則として問題になりにくい |
| 離職票・社会保険 | 手続きが遅れやすい | 通常どおり進みやすい |
| 私物・貸与品 | 受け取り・返却がこじれやすい | 整理して引き渡しできる |
| 精神的負担 | 連絡が来る不安が続く | ひとまず区切りがつく |
バックレずに辞めるにはどうすればいい?
退職の意思を会社に伝えることが基本です。民法第627条により、期間の定めのない雇用なら申し出から原則2週間で退職できます。
「言い出せないから消えたい」という気持ちは、わたしも痛いほど分かります。でも、伝え方には負担を減らす工夫があります。
- 退職届・退職願を書面やメールで提出する
- 直接話すのが難しければ書面中心でやり取りする
- 有給休暇が残っていれば取得を申し出る
- 引き継ぎは可能な範囲で簡潔にまとめる
口頭で言えない場合でも、記録が残る形で意思表示をすれば手続きは前に進みます。会社の就業規則に「1か月前までに申し出る」などの定めがあることもありますが、民法上は2週間が原則です。期間の定めのある雇用など例外もあるため、不安な場合は専門家に確認すると安心です。
どうしても自分で言えないときは退職代行を使ってもいい?
心身が限界で自分から言えないときは、退職代行という合法的な代替手段があります。バックレるより、こうしたサービスで意思を伝えてもらうほうが安全です。
ただし、退職代行には運営主体ごとに「できること」の範囲が違います。ここはとても大切なので、落ち着いて確認してください。
- 民間(一般企業)の退職代行は、退職の意思を会社に「伝える」ことまで
- 有給消化や未払い賃金などの「交渉」が必要なら、労働組合または弁護士が運営するサービス
会社との交渉(条件の取り決めなど)を業者が報酬を得て代理で行うことは、弁護士法第72条が定める非弁行為に当たるおそれがあります。交渉まで任せたいなら、労働組合型か弁護士型を選ぶのが安全です。料金の安さだけで選ばず、対応できる範囲を必ず確認しましょう。
心や体がつらすぎるときはどうすればいい?
無理をして職場に行く前に、まず相談先につながってください。あなたの心と体が何より大切です。
「行けない自分はダメだ」と責めなくて大丈夫です。眠れない、食べられない、涙が止まらないといった状態が続くなら、それは休息と相談が必要なサインかもしれません。
- 厚生労働省「こころの耳」では、働く人の悩みの相談窓口を案内しています
- 厚生労働省「まもろうよ こころ」では、電話・SNSの相談先がまとまっています
退職の手続きは、少し落ち着いてからでも進められます。まずはあなた自身を守ることを優先してくださいね。
バックレ後に会社から連絡が来たらどうする?
無視を続けるより、最低限の連絡を返して退職の意思を伝えるほうが、結果的にトラブルを小さくできます。
電話に出るのがこわい場合は、メールや書面で「退職したい」という意思だけでも伝えましょう。連絡を完全に絶つと、会社は在籍扱いのまま手続きを止めてしまい、離職票の発行も遅れがちです。自分で対応するのがどうしても難しければ、前述の退職代行(交渉が必要なら労組型・弁護士型)に頼る方法もあります。
バックレたくなったとき、まず何を確認すればいい?
感情で動く前に、退職の意思を伝える方法・有給の残日数・就業規則の退職ルール・相談先の4点を確認しておくと、行動の選択肢が見えてきます。
「もう無理」という気持ちのときほど、ひとつずつ整理するのが心を落ち着けるのに役立ちます。下のチェックを上から見ていってください。
- 退職届やメールなど、意思を残せる手段はあるか
- 残っている有給休暇はどのくらいか
- 就業規則に退職の申し出時期の定めがあるか
- つらさが強いとき、頼れる相談先を控えているか
ひとつでも進められそうなものがあれば、それが今日の小さな一歩になります。全部を一度にやらなくて大丈夫です。
よくある質問
Q. バックレたら必ず損害賠償を請求されますか?
必ず請求されるわけではありません。会社に実際の損害があり、それとあなたの行為に因果関係が立証された場合に限り、請求される可能性があるという位置づけです。実際に金銭請求まで至るケースは多くありませんが、可能性がゼロとは言えません。
Q. 無断欠勤が何日続くと懲戒解雇になりますか?
日数の明確な法律上の基準はなく、会社の就業規則と個別の事情によります。一般に「2週間以上の無断欠勤」を懲戒事由として定める就業規則は多いですが、最終的な判断はケースごとに異なります。
Q. バックレても2週間で自然に退職になりますか?
退職の意思表示をしていなければ、自動的に退職とはなりません。民法第627条の「申し出から2週間」は、あくまで退職の意思を伝えたうえで適用されるものです。意思表示なしの無断欠勤は在籍扱いが続きます。
Q. 退職代行を使えば違法になりませんか?
退職代行の利用自体は違法ではありません。ただし、交渉を業者が代理で行うと弁護士法第72条に触れるおそれがあるため、交渉が必要なら労働組合型か弁護士型を選ぶと安全です。
Q. 離職票はバックレても発行してもらえますか?
発行を依頼することは可能ですが、連絡を絶っていると手続きが進まず遅れがちです。離職票は失業給付の申請に必要なので、退職の意思と連絡先だけでも会社に伝えておくことをおすすめします。
まとめ
バックレ退職には、懲戒解雇・損害賠償の可能性・離職票や社会保険手続きの遅れ・私物や貸与品のトラブル・社会的信用への影響といったデメリットがあります。一方で、退職は民法第627条で守られた権利であり、原則2週間で正規に辞められます。自分で言えないときは、労働組合型・弁護士型の退職代行という合法的な代替もあります。心や体が限界なら、こころの耳やまもろうよ こころにつながってください。
🍀 陽菜からあなたへ
「逃げたい」と思うほど追い詰められたあなたは、もう十分がんばってきました。バックレずに辞める道は、ちゃんと残されています。今日できるのは、相談先のページをひとつ開くことだけでいいんです。あなたが安心して次の朝を迎えられるよう、わたしはここから応援しています。