次が決まってないけど辞めたい|不安を整理して進む方法
次が決まっていないのに辞めたいあなたへ。在職中に転職するか先に辞めるかを中立に比較し、生活費の目安や失業給付、国保や年金の手続き、心身が限界なときの相談先まで整理しました。
朝、布団から出られなくなった日のことを、わたしは今でも覚えています。次の仕事は決まっていない。でも、もう今の職場には行きたくない。「辞めたい、でも無職になるのが怖い」、その二つの気持ちにはさまれて、わたしはしばらく動けませんでした。
結論から言いますね。次が決まっていなくても、辞めることはできます。退職は法律で守られたあなたの権利だからです。ただ、進め方には「在職中に転職活動を続ける」「先に辞めて立て直す」という二つの道があり、どちらが正解かはあなたの心と体の状態、そしてお金の余裕で変わります。この記事では、わたしが当時知りたかったことを、できるだけ中立に整理しました。
次が決まってないのに辞めたいのは甘えですか?
甘えではありません。心や体がサインを出しているのに無理を続けるほうが、むしろ危険です。
退職するのに「次が決まっていること」は条件ではありません。民法627条では、期間の定めのない雇用契約は、いつでも解約を申し入れることができ、申し入れから2週間で終了すると定められています(出典: e-Gov法令検索 民法)。会社の許可をもらう必要はなく、辞める意思を伝えること自体があなたの権利です。
ただ「辞められる」ことと「辞めたあと困らない」ことは別の話です。だからこそ、辞めたい気持ちを否定せずに、次の準備をどう整えるかを一緒に考えていきましょう。
在職中の転職と先に辞めるのはどっちがいい?
一概にどちらが良いとは言えません。お金の安心を取るなら在職中、心身の回復を取るなら先に辞める、というのが大きな分かれ目です。
判断のヒントになるよう、両方の特徴を表にまとめました。
| 比較する点 | 在職中に転職活動 | 先に辞めてから活動 |
|---|---|---|
| 収入 | 給与が途切れない | 収入が止まる(貯金や給付に頼る) |
| 時間 | 活動時間が限られる | 面接や準備に集中できる |
| 心身の状態 | 負担が続きやすい | 休んで回復しやすい |
| 焦り | 比較的おさえやすい | 早く決めたい焦りが出やすい |
| ブランク | 生じにくい | 無職期間が空く |
このあと、それぞれのメリットをもう少しくわしく見ていきます。
在職中に転職するメリットは何ですか?
最大のメリットは、収入が途切れないことです。生活費の不安を抱えずに、次の職場をじっくり選べます。
働きながらだと、焦って条件の悪い会社に飛びつくリスクが下がります。給料が毎月入ってくる安心感は、判断の冷静さにつながるからです。社会保険や年金もそのまま続くので、空白期間の手続きも発生しません。
一方で、現職をこなしながらの活動なので、応募書類づくりや面接の時間をひねり出す大変さはあります。有給休暇を使う、オンライン面接を選ぶなど、工夫しながら進める人が多いです。
先に辞めるメリットとデメリットは?
先に辞める一番のメリットは、心と体を休ませる時間が手に入ることです。デメリットは収入が止まることなので、お金の備えが前提になります。
わたしのように、すでに眠れない・食べられないといった状態になっているなら、まず離れて回復することを優先する選択も十分あります。回復してからのほうが、面接で前向きな自分を見せられることもあります。
ただし、無職期間は収入がありません。家賃や食費、社会保険料を貯金や給付でまかなう計画が必要です。次に、その備えを具体的に見ていきましょう。
先に辞めるなら生活費はどれくらい必要ですか?
目安として、家賃・食費・水道光熱費・通信費・社会保険料を足した「毎月の固定費」の3か月から6か月分を準備できると安心です。
金額は人によって大きく違うので、まずは自分の1か月の支出を書き出してみてください。たとえば固定費が月15万円なら、3か月で45万円、6か月で90万円が一つの目安になります。これはあくまで一般的な考え方で、扶養家族の有無や住んでいる地域でも変わります。
貯金が少なくても、すぐにあきらめないでください。失業給付や、退職後にかかる保険料を抑える手続きもあります。次の項目で順に見ていきます。
退職後の失業給付はいくらもらえますか?
金額や受給できる条件は人によって異なるため、正確な情報は必ずハローワークで確認してください。ここでは大まかな仕組みだけお伝えします。
雇用保険の基本手当(いわゆる失業給付)は、退職前の賃金や年齢、雇用保険に加入していた期間などをもとに計算されます(出典: e-Gov法令検索 雇用保険法)。自己都合で辞めた場合は、手続き後に一定の給付制限期間がある点にも注意が必要です。
受け取るには、ハローワークで求職の申し込みをして、働く意思と能力があることが前提になります。離職票や本人確認書類が必要なので、退職時に会社へ離職票の発行を依頼しておきましょう。詳しい金額や条件は厚生労働省・ハローワークの案内で確認するのが確実です(出典: 厚生労働省 ハローワーク)。
退職したら保険や年金の手続きはどうなりますか?
会社の社会保険から外れるので、自分で切り替え手続きをする必要があります。放っておくと未加入や滞納につながるので、早めに動きましょう。
主に次の手続きがあります。
- 健康保険: 国民健康保険に加入する、家族の扶養に入る、または前の会社の保険を任意継続する、のいずれかを選ぶ
- 年金: 厚生年金から国民年金(第1号被保険者)への切り替えをする
- 保険料の軽減: 収入が下がった場合、国民健康保険料や国民年金保険料の軽減・免除の相談ができることがある
手続きの窓口や必要書類は住んでいる市区町村で異なります。退職日が決まったら、市区町村の窓口や年金事務所に確認してください。保険料の負担が重いと感じたら、軽減や免除の制度がないか相談してみるのも一つの方法です。
無職期間が空くと転職に不利になりますか?
ブランクがあるだけで一律に不利になるわけではありません。大切なのは、その期間をどう説明できるかです。
体調を整えていた、資格の勉強をしていた、これからやりたい仕事を見極めていた。そうした前向きな理由を自分の言葉で伝えられれば、空白そのものが大きなマイナスになるとは限りません。心配なら、ブランクが長くなりすぎる前に動き出すこと、活動中の生活費を確保しておくことを意識するとよいでしょう。
自分で言い出せないときはどうすればいいですか?
引き止めが怖い、顔を合わせるのがつらい。そんなときの選択肢の一つに、退職代行があります。ただし、サービスごとにできることが違う点は知っておいてください。
退職代行は、本人に代わって退職の意思を会社へ伝えるサービスです。ここで重要なのが、未払い残業代や退職日の交渉まで行えるかどうかです。会社と「交渉」できるのは労働組合(労組)が運営するサービスや、弁護士が対応するサービスに限られます。民間業者が交渉まで行うと、弁護士法72条が禁じる非弁行為にあたるおそれがあり、民間業者ができるのは退職意思の「伝達」までです。
退職代行はあくまで選択肢の一つであり、必ず使うものではありません。自分で伝えられそうなら、まずは直属の上司に意思を伝えることから始めて大丈夫です。どうしても難しいときに、自分に合ったサービス形態を選んでください。
どうしても限界のときはどうすればいいですか?
眠れない、涙が止まらない、何も手につかない。そんなときは、仕事のことより先に、あなた自身を守ることを最優先にしてください。
一人で抱え込まないでほしいのです。厚生労働省の「こころの耳」では、働く人のメンタルヘルスに関する電話・SNS相談の窓口を案内しています(出典: 厚生労働省 こころの耳)。同じく厚生労働省の「まもろうよこころ」でも、相談先の情報がまとまっています。つらさが強いときは、心療内科や精神科の受診も選択肢です。辞める・辞めないの判断は、少し休んで落ち着いてからでも遅くありません。
よくある質問
Q. 次が決まっていなくても本当に辞められますか?
はい、辞められます。民法627条により、期間の定めのない雇用契約はいつでも解約を申し入れることができ、申し入れから2週間で終了します。次の就職先が決まっていることは退職の条件ではありません。
Q. 貯金がないのに辞めるのは無謀でしょうか?
無謀かどうかは状況によります。失業給付や保険料の軽減制度を使える場合もあるため、まずは固定費を把握し、ハローワークや市区町村の窓口で使える制度を確認してから判断すると安心です。
Q. 在職中と退職後、どちらで転職活動するのが正解ですか?
正解は一つではありません。収入の安心を重視するなら在職中、心身の回復や活動への集中を重視するなら退職後が向いています。あなたの体調とお金の余裕で選んでください。
Q. 失業給付はいつから、いくらもらえますか?
金額や開始時期は退職前の賃金や離職理由、加入期間によって人それぞれ異なります。自己都合退職では給付制限期間がある場合もあるため、正確な内容はハローワークで確認してください。
Q. もう心も体も限界です。どこに相談すればいいですか?
厚生労働省の「こころの耳」や「まもろうよこころ」で、働く人向けの相談窓口を案内しています。つらさが強いときは心療内科や精神科の受診も選択肢です。仕事の判断より、まずあなたの回復を優先してください。
まとめ
次が決まっていなくても、辞めることはできます。在職中に活動を続けて収入の安心を取るか、先に辞めて心身を立て直すか。どちらにも良さがあり、あなたの状態とお金の備えしだいで選べばいいのです。失業給付や保険・年金の手続きを早めに確認し、限界を感じたら回復を最優先にしてください。
🍀陽菜からあなたへ
あの頃のわたしは「辞めたら人生が終わる」と思い込んでいました。でも、立ち止まって整理してみたら、選べる道はちゃんとあったのです。あなたの心と体は、何より大事な資本です。焦らず、一つずつ準備しながら、自分を守る選択をしてくださいね。